完全手打ち多加水ラーメンの作り方
みなさんこんにちは。
前回の記事をアップしてからだいぶ時間が経ってしまいました。その記事で書いたように、この間ぼくは仕事を休んで子育てをしていました。パートナーと一緒に取得した長期間の育児休業の様子や子どもの成長などは次回以降の記事でまとめようと思います。
今回は育児休業中にぼくが15㌔の粉と格闘して身につけた製麺の技術を備忘録がてらまとめました。パスタマシンや小野式などの鋳物製麺機を使わずに自分でラーメンを打ってみたいという方の参考になればうれしいです。
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用意するもの
・強力粉300g
・水適量
・塩3g
・重曹3g
・オリーブオイル適量
・酒適量
・コーンスターチ適量
・大きめのボウル
・キッチンスケール
・ふるい
・5キロの米の袋
・麺棒
・まな板と包丁
1 塩・重曹各3㌘を計量し、オリーブオイル少し、酒少しを加え、熱湯を加えて混ぜる。水を入れて150gになるようにする。
(オリーブオイルは八丁堀の七彩さんで入れていたのを参考にしました。酒は麺をつくるときに目標の1つにしたサッポロめんフーズの特力麺の香りを再現したくて入れています。オリーブオイルはつなぎと香り、酒は香りと保存性を高める意味がありそうです。)
2 粉300gを計量し、ふるいにかける。
(このときふるいにかけてすぐに落ちていく種類の粉は柔らかい生地になりやすい気がします。粒が小さいからでしょうか。いまはよくわかりません。)
3 箸でかき混ぜながら、1の水をすこしずつ入れていく。
(「3回に分けて入れる」とするネット記事もありますが、僕の条件・技術だとどうしても大きなダマができてしまいます。)
4 全部入れたら手で5分位かき混ぜる。
(ぼくは我流で下から上へ粉を舞わせるイメージでやっています。球体の透明な機械の中で紙でできたクジが空気の力で無数に舞っているあのイメージです。)
5 手で20回くらい捏ねて玉にする。
(このあたりで生地に愛着が湧いてきます。)
6 米の袋に入れて玉を踏む。
(愛着が湧いた生地を踏むなんてひどいとお思いになるかもしれませんが、ここはわが子のためを思って踏みます。)
7 伸びた玉を折り返して踏む。6・7を2回繰り返したら、手を使ってボウルで玉に成型する。
(強い子に育ちました。)
8 空気が入らないようにして、冷蔵庫でひと晩ねかせる。(育児の難関のひとつ、【寝かしつけ】です。)
9 翌朝、玉を足で踏んで伸ばす。
(まだ寝ていたいだろう子を起こして再度踏みます。ぼくも掃除機をかけたい母親に叩き起こされた経験が何度もあります。)
10 伸びた状態の生地を15分放置する。
(ここでそのまま伸ばすと千切れがちな麺になりやすいです。ぼくも英語の内申点が悪いことを叱られたあと、次の日に問題集を買い与えられ、解くように言われたのを不満に思い、最寄りの川の河口まで自転車を走らせて問題集を塩味のする川の中に捨てにいったことがあります。叱るにしても立て続けに刺激を与えると子は反発するのかもしれません。共感と合意を軸に子の理解を待ってから、なにか助言なり働きかけをしたいものです。生地もいっしょです。)
11 まな板にコーンスターチで打ち粉をして生地を太い麺棒で伸ばしていく。
(はじめは麺棒を回転させるのではなく、生地の真上から麺棒を押しつけるように伸ばしていくと生地が壊れにくいそうです。生地から小麦や酒、オリーブオイルのいいにおいがします。)
12 生地を2等分にする。小さい麺棒に切り替えて全体が均一な厚さになるように伸ばす。
(キッチンが広ければ2等分する必要はありません。)
13 打ち粉を生地の両面にまぶし、蛇腹に折りたたむ。
(以前蛇腹ではなく、ロール状にして切っていたのですが、千切れやすい麺になってしまいました。これも理由はよくわかっていませんが、包丁を入れるときの圧力のかかり方が蛇腹のほうが均一なのかもしれません。)
14 包丁に打ち粉をつけて切る。このとき、魚の平造りのように、切った直後に包丁を右に傾け、麺がくっつきづらいようにする。
(急に平造りなどと書きましたが、育児休業中に身につけた技術のもうひとつが魚料理の技術です。銀座渡利さんのYou Tubeを見て勉強・実践しました。おすすめです。)
15 10㌢分切ったら麺の折りたたまれている部分を開き、できた束を掴んで、上から叩きつけるようにさばく。
(ようやく麺になりました。麺がくっつかずにできるとうれしい気持ちになります。)
16 米の袋に出来上がった麺を重ならないように並べ打ち粉をして行き渡らせる。
(多加水麺なので打ち粉は多めがいいかもしれません。)
17 袋の上下にキッチンペーパーを1枚ずつかまして乾燥剤にする。
(これもだれの真似をしたわけではないのですが、最近おうち麺TVさんでも同じように麺を保存している回があり、やっぱりそうだよねと思いました。)
18 冷蔵庫で袋の口を開けて保管する。
(口を開けないと袋の中に結露ができて、麺同士がくっついてしまいます。くっついた麺は茹でてもおいしくならない傾向があるように思います。)
19 半日に1回くらい様子を見て、キッチンペーパーを取替える。袋の内側に結露がつかなくなってきたら袋を密閉して保管する。
(のれんを押し上げて「大将、やってる?」といった具合に、陽気に確認します。麺同士がくっつきそうな場合は打ち粉を追加するとともに、もうくっつくなよ、と言い含めます。)
20 2日ほど熟成させたら、茹でる前に麺をザルにあげ打ち粉を落とす。ちぢれ麺にしたければ、揉んでクセをつける。
(打ち粉が多いままだとスープがにごるのと、茹で溶けがしやすくなる気がします。)
21 たっぷりのお湯で茹でて完成
(緊張の時間です。茹で時間はだいたい3分くらいですが、長くても短くてもいけないです。でもだいたいいつも他の作業と並行して茹でているので焦ります。)
慣れてくれば寝る前の小1時間で生地を玉状にして冷蔵庫に入れ、翌日これも小1時間で麺切りまで完了できるようになると思います。
はじめは面倒くさいけれど、回数を重ねると粉の種類、水・酒・オリーブオイル・重曹の量、卵を入れるかどうか、水回しの時間、生地のこね方、こねる時間、生地を寝かせる時間、寝かせる温度、生地の伸ばし方、生地の厚さ、打ち粉の量、生地の切り方、麺にしてからの熟成期間、手揉みでくせをつけるかどうか、茹でる時間、茹でたあと水で締めるかどうか、ラーメンかつけめんか、などなどさまざまな要因で違った顔を見せる麺作りのおもしろさが面倒くささに追いついてやがて追い越すようになります。自分が1から工夫を重ねて打った麺が美味しかったときの喜びはとても大きいです。
最後に材料についてこまごまとしたことを。
ラーメン用の粉は富澤商店で少ないサイズで買うことができます。10㌔まとめて買うならKT Food Labさんという愛知の会社が良心的な値段で売ってくれます(10種類選べて送料無料の4350円!しかも手書きメッセージカードも送られてくる!)。楽天などで見つかると思います。
塩と重曹はスーパーで買っています。ほんとうは蒙古王というかんすいを使いたいところですが、機会を逃しています。
他にはとくに特別な材料や調理器具は使っていません。
時間と気力と製麺への執着が人一倍あるぼくのような方はぜひ自宅で完全手打ちの多加水麺を作ってみてください。
Twitterではほかにもいろいろラーメンを作る様子を投稿していますので、暇つぶしに見てみてください。
おしまい。